現実とリンクしていますが
あくまでも私の頭のなかのお話です
何でも大丈夫な方だけお進みください
『空港に到着しました』
翌日からの公演
その打ち合わせを終えてホテルの部屋に戻った時、
普段よりも少し素っ気ないカトクが1件
『気を付けて
こっちは今日の打ち合わせも終わったから』
返信して、シャワーを浴びた
ふたりだけのメンバーで一緒に居るイメージが多いと言われる事も有るけれど、実際は個々の活動もそれなりにある
だけど、日本に居る間は同じ部屋に暮らしているし
ホテルに泊まる時も結局はどちらかが移動して来て
同じベッドで眠る事が常だ
「寂しい、なんて思ったら俺らしく無いかな」
ここは日本の大阪
氷点下のソウルよりも余っ程気温は高い
ホテルの部屋は広くて静まり返っているけれど、
それはソウルの自分の部屋だって同じ
だけど、日本で過ごしていれば
いつだって隣に居る筈のチャンミンが居ない
それが何だか、自分の身体の半分がふわりと宙に浮いてしまったようで心許ない
バスタオルで身体を拭いて
備え付けの、肌触りの良い寝間着を身に纏う
汗も流したしすっきりした
でも、やっぱり足りない
「…テレビでも見るか」
ベッドに腰掛けて、リモコンを操作した
映ったチャンネルでは夜のニュース番組が流れていた
今は明るい何か、を見たくて
チャンミンの居ない寂しさを紛らわせるもので心の隙間を埋めたくて、バラエティ番組を探そうと思った
「…流星群?」
リモコンを持った手がテレビ画面に映し出された文字と映像を見て、止まった
どうやら今夜はふたご座流星群のピークらしい
テレビ画面には都内の現在の空が映っているけれど、
雲も目立っているし、都会ではなかなか見られるタイミングも少ないらしく、撮影済みの流れ星の映像が流れた
「ここから見えないかな?」
立ち上がって、窓に向かう
防犯安全面から窓は開かないようになっていたから
鼻先がつくくらい顔を近付けて、テレビ画面の映像よりは少し雲の少ない夜空を見上げた
「…明るいから無理だよな」
東京程では無いけれど都会で
自然よりもビルや建物が目立つ
それでも、流れ星がもしも見えたら良い事が有る気がするから目を凝らして空を眺めた
どれくらいじっと眺めていたのか分からないけれど、
視界の端に光が通った気がした
「…あれ、もしかして…」
光が通った辺りをじっと見つめていたら
今度は確かに真っ直ぐに空を突き抜けるような光が見えた
「…あはは、凄い、本当に見えた」
真っ直ぐに空を駆け抜けた一筋の光
その流れ星は俺達の国の方角から
まるでこちらに向かって来るように見えた
まだ他にも見えないだろうかと目を凝らして明るい夜空を見つめていたら、部屋のベルが鳴った
「っ…びっくりした」
集中していたから思わぬ音に肩が揺れた
都会の空に特別思い入れは無かったけれど
星を運んで来た空は特別に思えて…
少しだけ後ろ髪を引かれる思いで扉へと向かった
「マネージャーか?」
部屋にホテルのスタッフがやって来る事は無いから
何かマネージャーから伝達事項でも有るのかと思って、
扉の小さな覗き窓から廊下を見たら…
「…チャンミナ!」
慌てて扉を開けてから
自分で思うよりも大きな声で名前を呼んでしまった
「…ただいま、です…ぅわっ」
「会いたかった」
左手を伸ばしてチャンミンの腕を掴んだ
半ば引っ張るようにして胸に抱き留めて、
そのまま右手で扉を閉めた
「ユノヒョン…寂しいって思ってくれてたんですか?」
「日本だといつも一緒なのに」
「ふふ、そうですよね、ごめんなさい」
黒いロングコートに包まれた
俺よりも少し細い身体
「やっぱり少し痩せたな」
「それはユノヒョンも、じゃないですか?
お互い30を超えたのでしっかり体力付けないと、ですね」
抱き締めて、チャンミンを全身で感じる
目まぐるしいスケジュール
ハードなステージ
それでも、チャンミンが居るから駆け抜ける事が出来る
そして、それはチャンミンも同じだろう
「…外で冷えたのであたたまりたいです」
「ああ、そうだな…おいで
でもその前に…」
「…んっ……ユノヒョン、僕も会いたかったです」
少し疲れの色が浮かんだ顔
だけど、口付けて頬を包んだら
少し緊張が解けたような表情で微笑んだから安心した
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「ユノヒョンも一緒に入らなくても良かったのに…」
「本当に?
せっかく浴槽も広いし、昨夜は別々だったから触れたかったんだけど…チャンミナは違ったの?」
シャワーを浴び直して
ふたりで湯に浸かってあたたまった
俺と同じ寝間着に着替えたチャンミンは
少し俯いて、それから上目遣いに俺を見つめる
「…だって、一緒に風呂なんて…
ユノヒョンが欲しくて我慢出来なくなるから」
「2日間が終わる迄は我慢しなきゃ」
「…分かってます
だから我慢しないとなのに、ユノヒョンが裸で触って来るから…」
「あはは、一緒に居たら触れたくなるのは仕方無いよ」
ライブ前だから身体を繋げる事はしない
だから、風呂場で身体を洗いながら互いのものに手で触れて熱を逃した
「…ただでさえ1日離れたから…
ユノヒョンに会いたくて仕方無かったのに
会ったらやっぱり全部欲しくなってしまいます」
「本当?
さっきのカトクも何だか冷たいし…
寂しかったんだけど?」
腰を抱いて寝室に向かいながら聞いたら、
チャンミンはまた上目遣いで俺を見る
唇が少し尖っているのは、言い難い事が有るからだろう
「チャンミナ?何か有るなら言ってご覧」
「…本当は直ぐに会いたいって、
寂しいって言いたかったんです
でも…」
「でも?」
チャンミンは俺を見つめてそれから視線を逸らし、
するりと俺を交わすように、寝室の窓辺に歩んで行く
俺がついさっきまで眺めていた夜空を見つめてから、
直ぐ隣に立った俺を見て口を開いた
「言葉にしたら、我慢出来なくなるので
だから我慢したんです」
そう言うと、また窓の外を何か探すように見渡す
「どうした?」
「今日は
ふたご座流星群がたくさん見られる日なんです」
「ああ、俺も知ってるよ
ついさっきまでずっとここで星を眺めていたんだ」
もう一度、左側からチャンミンの腰に腕をまわして
温もりを分かち合う
チャンミンは少し驚いたようにこちらを向いた
「…見えましたか?流れ星」
「それが…見えたんだ、凄いだろ?」
「凄いです
でも、実は僕も空港からここに来る間…
車のなかで見たんです
それが、あの…」
「ん?」
チャンミンは窓についていた手を離して
両手を落ち着き無く擦り寄せるようにする
「…笑わないでくださいね
僕が見た流れ星の軌道がまるで、ソウルからここに…
大阪に向かって行くようで…
僕もそうやってここに来たのに、早くユノヒョンに会いたかったのに先を越されたなあって思って…」
「…チャンミナ…」
「…っやっぱり聞かなかった事にしてください」
もう前を向いて、
さっきまでよりも雲の増えた空を眺める
少しだけ覗いた大きな耳が赤くなっているのは
風呂上がりだから、では無いのだろう
そっと後ろから抱き締めて、
赤い耳元に唇を寄せて囁いた
「もう流れ星は見えないよ」
「…んっ……どうして…雲が増えたから?」
「違うよ」
「え…」
チャンミンが俺を振り返る
あとほんの少し近付けば
唇が触れ合う距離でチャンミンを見つめた
「俺がさっきここから眺めていた流れ星は
ソウルから大阪に向かって来たんだ
チャンミナが見た流れ星もそうだったんだろ?」
「はい、何となく、ですが…」
「まるでチャンミナみたいじゃないか?
素っ気ないカトクに少し寂しかったけど、
本当は早く会いたいって思ってくれていたんだろ?
もう会えたから流れ星は必要無いよ」
「…ユノヒョンってやっぱりロマンチストですね」
上目遣いで下唇をきゅっと噛む
チャンミンが恥ずかしいと感じている時の仕草だ
「ロマンチストは嫌い?」
「…好きです
でも、ロマンチストが、じゃなくてユノが好き」
腕が伸びて、首に絡み付く
「…キスしてください」
「甘えてるの?」
「駄目ですか?
だって外は寒いしひとりは寂しい…っふ……ん」
薄い布越しに抱き締めて、
昂る熱を押し付けて唇を重ねる
「…ユノヒョン…っん…あ…」
「…止まらなくなるな…
続きは2日間燃え尽きてから
我慢出来る?」
鼻先を擦り寄せて、
深い口付けから触れるだけのそれに
「…我慢するから…無事に終わったら
飽きるくらいにたくさんキスしてください」
俺の元へ戻って来た、誰よりも、何よりも綺麗な流れ星
例え燃え尽きて灰になっても
この手の中から逃したりなんてしてやらない
「飽きる事なんて無いと思うけど?」
「…奇遇ですね、僕も、です」
もう流れ星を探す必要は無いから、
カーテンを閉めて、ベッド
へと向かった
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お話のやる気スイッチになるので
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読んでくださりありがとうございます
今日は京セラドーム初日ですね
本当はこの時間、先日の東京ドームのレポを上げようと思っていたのですが、突発というには長いお話を描きたくなって…
連載のお話を待っていてくださった方がいらっしゃればごめんなさい
私は今日はお留守番組なので、ユノとチャンミンが怪我無く最後まで笑顔でパフォーマンス出来るように祈っています
参戦される皆様にとって、勿論そうで無くても
今日が素敵な1日になりますように…
流れ星は保護されている
「羽生選手は物事の分析が上手で、なおかつ早い。表情や仕草から常に何かを感じ取って、相手の気持ちまで分かってしまう。その上ですごく自然に生きていらっしゃるなぁというイメージがあったけど、実際の羽生選手もその通りの人でした」
by 清塚信也さん (Number 966号)
清塚さんて私たちが結弦くんに感じているようなことを実際感じていらしたんですね。
「表情や仕草から常に何かを感じ取って、相手の気持ちまで分かってしまう」
こういう人は本当はとても疲れるはずなのです。1人の方がいいやって・・・。
でも、結弦くんは「その上で自然に生きている」。
優しくて、強くなければ、それはできないこと。
あの若さでどうしてそれができるのか、本当に不思議です。
そしてその結弦くんの繊細な本質を見抜いて言葉にしてくださった清塚さんもまた、きっと結弦くんに通じるものがある方なんだろうなと思います。
結弦くんは「物事の分析が上手」。きっと今はもう前へ向いて、いろいろなことを分析し、考えているのだろうと思います。
一日も早く、氷の上に戻れますように・・・。
■ 惑星ハニューにようこそ!
by Nymphea様より
いつもありがとうございます。
■ 王者 奇跡の復活 羽生 けがに負けず
「奇跡的な再起は、何度も経験してきた。大勢のファンがリンクで輝く王者の姿を待ち望んでいる」
永井順子記者
日本スポーツ賞グランプリ受賞羽生結弦選手
”日本スポーツ賞は昨年12月から今年11月までの実績をもとに受賞者を決める。選考委員会では、まず安西委員を座長に選出し、各委員の意見を募りながら、最初に大賞を決めた。大半の委員が羽生をたたえ、「日本人だけでなく、世界に感動や夢を与えた」(猪谷委員)、「国民栄誉賞も授与され、まさにふさわしい選手」(竹田委員)、「東京五輪・パラリンピックにいい流れを作った」(桜井委員)と称賛の声が相次いだ。”
2018年12月15日読売新聞
■ 流れ星に願い事を。流れ星を撮影してくだっています(↓)。結構長めに流れているので早口で願い事を唱える時間がありますね。動画だけど、流れ星パワーは宿っていると信じて・・・
こちらもきれい。
■ 羽生結弦は俵型、高橋尚子さんはおかかが「勝負めし」/おにぎり今昔(10)
知ると得する栄養雑学・豆知識
2018.12.14 アスレピ
”例えば、輝かしい記録が評価され、国民栄誉賞を受賞した羽生結弦選手もおにぎりを勝負めしにしている1人。羽生選手のおにぎりは「俵型」。これは一般的によく見る三角形のおにぎりだと「3」(位)で縁起が悪いため、数字の「1」に見える俵型のおにぎりにしているのだとか。あのソチ五輪の演技の前にも食べたそうですよ。”
■ スポーツ酒場語り亭
16日21時~BS1
■ ジョニー出演
2019年1月1日18~21時 フジTV
「ニッポンよ!セカイを倒せ!フジヤマ」
■ モモ博士のブログより。結弦くん不在でもとても大変だったようです。お疲れさまでした!いろいろ考えさせられるお話です(↓)。
2018年GPF(バンクーバー大会)帰宅後、時系列無視の雑感その①②
■ みささんのツィッターより。御紹介ありがとう。
”中国CCTVの2018トップ10スポーツニュース(インターナショナルスポーツ部門)に羽生選手の平昌五輪ニ連覇がノミネートされています‼”
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■ 前記事はこちらです(↓)。
清塚信也さんの「サワコの朝」サイコーでした!
流れ星のよろこびを
「まろん」です
今日はふたご座流星群。
夜、寒い中、お散歩してお空を見上げていました。
そしたら、大きな流れ星。
ゆっくり流れていきました。
「ひゅっ」じゃなくって、「ひゅ~っ」って感じで流れていきました。
お願い事はできなかったけど、ちょっと感動しました。
1時間当たり40個ほど見えるかもしれないんですって。
ご主人さんも、数分空を見上げていて見ることができました。
明日まで続くそうですから、みなさんも空を見上げてみてくださいね。寒さにはお気をつけて。
のスタンプ
のスタンプ名は「」さん