風情あるエロいホラーが見てぇなぁ!
ここ一ヶ月くらい断続的に俺の胸中に去来する、嘘偽りのない気持ちだ。
実りの秋だからね、仕方ないよね!
そんなピュアピュアハートに従って十数年ぶりに借りて見たのが、先日ご紹介したなわけだが、こちらの作品を嬉々として紹介したところ、ボクが一方的に信頼を寄せるブログのブログ主さんから、「『スペースバンパイア』という作品もエロくてイイヨ!」という心暖まるコメントを頂いた。
まさに、まさに!
俺も『スピーシーズ』を見て、丁度『スペースバンパイア』を思い出していたところであった。
「俺は知己を得たのか、キルヒアイス…!」
俺は誰に言うともなく、虚空に呟いていたのだった。
それはそれとして!
そんな風に思い出しちゃったらもういても立ってもいられない。
本当はこのまま『スピーシーズ』シリーズをコンプリートしようかという計画だったが、急遽予定変更でこちらを借りて見たという寸法だ。
いやー、改めて見てみると、かなりイカれたジャケットだなぁ!
それでは早速ストーリー!
地球に接近したハレー彗星の調査に飛び立った宇宙船チャーチル号は、ハレー彗星の星雲に潜んでいた謎の巨大物体を発見。
全長240キロにも及ぶその物体の内部に乗り込み調べてみたところ、そこには全裸の美女とイケメンが三体眠っていた!
それを見た艦長は、「(ウホッ!いい女!)これは世紀の大発見だ!持ち帰って調べよう!」と、宇宙船へピックアップ。
しかしその一月後、チャーチル号からの連絡は途絶えるのだった。
連絡を絶ったチャーチル号の調査及び救援に駆けつけたコロンビア号だが、チャーチル号の内部では火災により乗組員は全滅していた。
しかし例の三体の裸族は無傷のままで、「(ウホッ!いい女!)これは世紀の大発見だ!持ち帰って調べよう!」と、コロンビア号は三体を地球へ持ち帰る。
ロンドンの宇宙センターに運び込まれた三体だが、警備員の青年がその美しさに魅了されるように女に近付いたところ、不意に女は目覚め、存外情熱的なキス!
するとなんということでしょう!
女は青年の生気を吸いとり、青年はミイラ化して死んでしまったではありませんか!
そう、彼女とあと二人のイケメンは、ただの裸族ではなく、生命エネルギーを吸い取って生きるスペースバンパイアだったのです!
甦った女バンパイアは、全裸のままセンターから脱走。
残りのイケメンバンパイアも復活するが、こちらは警備兵が躊躇なく発砲アンド爆殺。
同性として極めて正しい対応だ。
逃亡した女バンパイアのために、特殊空軍の大佐やらセンターの博士やらが協力して調査にあたるが、まずは先程犠牲になった警備員が、ミイラ姿で復活。
さらに解剖しようとしてたドクターのエネルギーを吸い、若々しい姿を取り戻すが、二時間ほど隔離していたらエネルギー切れで再び死亡。
警備員に吸われたドクターも一旦復活して再び死亡、ということで、なんとはなしに女バンパイアの正体と能力にあたりをつける大佐たち。
そんなことをしてるうちに、町中で新たなミイラ化死体が発見され、目撃者の証言などから大佐が「服を着たか…」という名推理を披露したりするが、丁度その頃、全滅したと思っていたチャーチル号の艦長が脱出挺で地球に生還を果たした!
大佐らは早速艦長を呼び寄せると、チャーチル号で何があったのか、聞き取りを開始する。
艦長が言うにはこうだ。
「あの三体を持ち帰ったところ、クルーたちが次第におかしくなり、ミイラ化して死んでいった。これを地球に持ち帰ってはいけないと思い、火を着けて脱出した」
いささか記憶の覚束ないところもある艦長は、その夜、まるで中学生のように淫夢にうなされて飛び起きる。
なんでも、「あの女がここにいた!」と言うのだ。
そこで大佐らは、艦長に催眠術をかけてレッツ夢診断。
すると、なんということでしょう!
どういったわけか艦長は女バンパイアと心が繋がっており、彼女がどこで何を致しているか、透視できたではないですか!
どうやら女バンパイアさんは、他の女性に乗り移るという新たな便利能力を発揮して、オッサンを逆ナンしている様子。
艦長が透視した映像を元に調べた結果、女バンパイアが乗り移った女性の身元が判明。
彼女は看護師らしく、大佐と艦長は彼女の勤める病院へと赴き、ちょっぴり過激な尋問(上着をひっぺがし強引にキス)を敢行。
艦長のあまりのテクニシャンぶりに気を失ったナースだが、おかげさまで彼女の中にはもう女バンパイアはいないことが分かった。
ではどこにいるのか?
この病院のハゲの院長の中でした!
このハゲ院長に命
に別状があるレベルのヤバイお注射をかまし、中に潜む女バンパイアを呼び出し尋問開始。
女バンパイア(ハゲのオッサン)が言うにはこうだ。
彼女らは元々は人とは全く違う姿だが、艦長の心を読むことで今の姿に変身した。
ちなみに女の容姿は、艦長の理想の女性像だそうな。
艦長、お前…。
自分の好みを暴露されたためか、次第に感情が昂ってきた艦長は、「や、やめろ~!俺に近づくな~!」などと叫びつつ、女バンパイア(ハゲのオッサン)と再びキス!
すると、どういう仕組みか皆目分からんが、オッサンの中の女バンパイアはいなくなってしまう。
そんな風ににして、艦長が無節操に唇を奪っていると、ロンドンから火急の報せが届く。
死んだと思っていたイケメンバンパイアが実は生きており、宇宙センターを襲撃してきた。
そのうちの一人はしかし、センターの博士がやたらカッコいい鉄の剣で心臓の五センチ下を刺すという古式ゆかしい方法で倒した。
でもやつらの宇宙船も地球に近づいて来ててヤバい。
帰って来て!と。
急ぎ空路でロンドンを目指す艦長と大佐。
その機内で、どうにも先程から腑に落ちない感じの大佐が艦長を問い詰める。
「お前まだなんか隠してるだろ?」と。
この終盤の忙しい時に、艦長は衝撃のカミングアウトをカマす。
「実は、彼女の魅力に辛抱堪らなくなって彼女を目覚めさせて、チャーチル号を破滅させたのは自分なんっすわ。いやぁ、なんて言うか…最高のセ○クスでしたわ!」
艦長、お前!!
そう、艦長が触れることで彼女は永の眠りから目覚め、エネルギーを吸ったり分け与えたりしながらの濃厚なおセ○クスを致した。
なんで艦長だけ特別扱いなのか分からんが、お陰様で艦長は女バンパイアと心が繋がり、透視能力みたいなのが発現したわけだ。よく分からんが。
そんなこんなで、二人がロンドンに着いた頃には、バンパイアの餌食になった人々がエネルギーを吸ったり吸われたりと、ほとんどゾンビ映画のような地獄絵図。
おまけに首相までバンパイア人間になってしまい、ほぼ壊滅状態で、ロンドンは隔離され、いざとなったら核で殲滅するぜ!と、軍部が勝手に作戦を立てる始末だ。
こいつら本当に核が好きだな!
そんな退っ引きならない状況の中、エロ艦長は軍の車をパクって女バンパイアが待つ宇宙センターへ一人で向かう。
センターの周りは死屍累々で、人々から吸い上げられたエネルギーは女バンパイアを通して彼らの宇宙船に送られていた。
センターの中でついに再会する二人!
一方の大佐も、艦長を追って宇宙センターに辿り着く。
そこで大佐が見たのは、全裸で一心不乱にキスをする女バンパイアと艦長の姿だった!
ほんとこいつらは!!
必死に艦長の名を叫ぶ大佐!
最後の理性をふりしぼり、奇跡的に呼び声に気付く艦長!
例の鉄の剣を投げて渡す大佐!
己もろとも女バンパイアを剣で貫く艦長!!
迸るエネルギーの奔流!
アタイが刺して欲しかったのはその剣じゃないのよー!!
と、思ったかどうかは分からないが、二人は剣で繋がったまま絶頂絶叫しながら、エネルギーの奔流と共に宇宙船に吸い上げられていき、冒頭のバンパイアたちのようにひっそりと眠りにつき、ハッピーエンド!
いやー、けだし名作であることよ!
俺の説明では全く伝わらないかも知れないが、名作と評価するのは何もすこぶるエロいからだけではない。
現在と比べれば圧倒的に未熟な映像技術ではあるものの、その幻想的で美しい映像及び演出は、作品の雰囲気を十分に高めている。
また、シリアスかつ風情ある情緒的な雰囲気を維持しつつも、テンポは非常に早く、全くだれることなく楽しめる。
さらに、バンパイアに魅入られ正体をなくしていく男たちの、余裕のない演技も真に迫っている。
また終盤、街がバンパイア化した人間で埋め尽くされる様は、まさに良質なゾンビ映画を見ているようでもあり、個人的にお得感満載だ。
そして何より、すこぶるエロいからだ。
「お前は結局それかよ!」とあなたが問うなら、「当たり前だろ、バカヤロー!」と私は答えよう!
いや、ほんと、マジでね、これ俺は『スピーシーズ』よりさらに昔に見たんだけど、オッサンになった今見てもやはり、股間の蒸気機関にガンガン石炭をくべてきよるよ!
『スピーシーズ』のエイリアンが子種を搾り取ることを目的としていたのに対して、こちらのバンパイアは生命エネルギーを吸い取ることを目的としているので、結果として本番行為よりもキスシーンがやたら多くなっている。
だが、それがいい。
ほら、世の中には、AVでは前戯のシーンが一番テンション上がるって人もいるじゃない?
抜き差しするばかりがエロじゃないよね!
怪しい全裸の美女の得体の知れなさに最初は躊躇しながらも、一旦唇が触れ合ってしまえば「もうどうにでもな~れ!」という勢いでブッチュブッチュと激しく貪り合う姿、興奮するよね!
見ているこちらとしては、その先にあるのが確実な破滅と分かっているから、なおさら興奮するよね!
さらに言えば、物語の展開上、着衣男×全裸女でのキスシーンが多くなるのだが、一体どこまで俺を興奮させれば気がすむのか。
その背徳的というか変態的というかなエロスには、アメリカナイズされた大味なエロシーンとは一線を画した風情があると言わざるを得ない。
さてしかし、ここで皆さんに残念なお知らせだ。
本作で俺が最も興奮したのは、いずれのキスシーンでもないのである。
それでは発表します!
俺が一番興奮したのは…
バンパイアが乗り移ったナースが行きずりのオッサンを車中で誘惑するシーンだー!!
ほら、ぼくって、フトモモが大好きじゃないですか?
確かにこの乗り移られた女性は、元々の女バンパイアさんに比べれば美人ではないですよ。
でもほら、美しすぎて興奮できないってあるじゃないですか?
いや、興奮したけども!
そこへいくとこのナースさんは、肌質もほどよく汚くて生々しいのがよくてねぇ…。
さらに言うとこのシーン、艦長が彼女の見ている光景を透視しているシーンなのだが、この艦長の臨場感たっぷりの実況生中継も良くてね。
「彼女は…ハァハァ…スカートを上げて…ハァハァ…脚を…ハァハァ…男は…ハァハァ…手を…ハァハァ…手を…ハァハァ…女の脚に…脚に!アァー!!」
これは俺もハァハァせざるを得ない!!
この生々しい触り方はどうだ!
おっとすまない、俺らしくもなくちょいと興奮し過ぎちまったようだ。
ちょっと落ち着くから待ってくれ。
ヒッヒッフー、ヒッヒッフー。
…ちょっと落ち着いて考えてみるとさ、艦長って女バンパイアさんと心が繋がってるわけじゃない?
てことは、透視したあのシーンでは、艦長は女目線で情景を見てるのではないかな?
え、じゃあもしかして彼は、オッサンにフトモモをまさぐられる感覚を覚えながらハァハァしていた…!?
とんでもねぇ凄腕だよ…。