「勝率」という考え方はすでに終わっていると思う
最近、史上最強のボクサーのランキングという事で少々の盛り上がりがありましたが古今東西のアスリートが誰であるのかという話はどの競技のマニアでも面白くてやめられないものだと思います。
同時に答えがでないものでもありますので永遠のテーマにもなるものだと思います。
昨今、マニュアル人間とも言うべきか○か×か、100%正しいか100%間違っているという判断しかできないものが多くなっている中でそういう一概にこうだと言えるものではないものを話し合うのはけして悪いことではないと私は思っています。
先日、ある相撲ファンの方から質問を頂いたのですが、新大関の栃ノ心に関して・・・。
ここから~
仮に栃ノ心が5月場所で優勝していたとします。そして新大関の7月場所でも優勝したとします。となると3場所連続優勝になり大関1場所で横綱にしてもいいかと思うのですがいかがでしょうか?
~ここまで
というものでした。
まあ、3月場所は優勝していないんで3場所連続にはなりませんがそれはいいとして・・・。ちょっと前置きが長くなりますが
横綱昇進の内規は
1項 品格力量抜群のもの
2項 大関で2場所連続優勝したものを原則とする
3項 前項に準ずる成績の場合は2/3の委員の賛成を以て昇進することとす
となっています。
内規は品格力量抜群となっていますがこれが最重要です。ちなみに品格とは控えに入ってから、相撲を終え退場するまでの所作の事で私生活のことではありません。
貴乃花が「婚約を解消したから横綱にすべきではない」と言われた事がありましたが、これは本来の意味を大きく取り違えている意見と言えるでしょうね・・・。
次に力量を測る目安であるはずの2項及び3項に関してですがこれを勘違いしている人が多すぎる。
優勝または準優勝を2場所続けるという意味だと思ってる人が多いのですね・・・。一般のファンならまだしも横審の委員までがそんなことをいうのだから始末が悪い。委員長まで努めた河北新聞の一力一夫に至っては「11-4でも連覇なら昇進。14-1でも連覇でなければ見送り。星も内容も関係ない」と発言しました。暴論にも程があります。
そもそも横綱というものは本場所という名の技量審査をパスすることによってなるものであり
けして2場所連続優勝のご褒美でなるものではありません。
これは私の個人的考えというより横綱審議委員会が発足した際の意味合いであり、初代委員長の酒井忠正氏も三宅充氏のインタビューに応える形で名言しているものです。連続優勝したら昇進、連続優勝でなければ見送るというものであれば審議も何も必要ないことであるはずです。
「連続優勝したものを原則とする」は「連続優勝しても必ず昇進するわけではない」ということで逆に「連続優勝でなくても昇進する事もある」ということになるのは当然ですね・・・。
何度も言いましたが3項の「準ずる」は昨今、「優勝」のみにかけて解釈してる人も多いのですがこれは文章の読解力という意味においてもおかしいでしょう。前項と理っているのだから「2場所連続優勝」にかけないとおかしなはずです。
つまり「優勝または準ずる成績を2場所続ける」という意味ではなく「連続優勝と同等かそれ以上の価値のある成績」という意味です。
ちなみに順ずるは2番目(準優勝)という意味ではなく匹敵するという意味です。
例えば見送られたH6.9の時点での貴乃花の場合その年の5場所中3場所で優勝(通算6度目の優勝)、しかも1度は全勝優勝。優勝を逃した場所も11勝を上げて、5場所で65-10の成績。大関勝率8割強。これは過去の横綱の昇進成績と比較しても遜色ないどころか群を抜く。
連続優勝はしていないもののそれと同等以上の価値のある成績を収めたと言えるとなるはずです。
正しく内規の意味や歴史を調べていればここで昇進していたはずです。
100歩譲って見送る場合でも単に「連続優勝ではないからNG」というのはおかしな話です。
見送られた理由は「連続優勝じゃないから」という理由でした。そして頑強に見送りを主張し続けたのも例の一力一夫でした。
つまり大関で2場所連続優勝だけが昇進成績ではなく逆に連続優勝しても昇進しないこともある。それを審議すべきということです。
仮に栃ノ心が5月場所で優勝したとします。そして新大関の場所でも高い次元の優勝をしたとします。
今年に入り4場所中3場所で優勝、優勝を逃した場所でも10-5.成績的にですが「大関で連続優勝したのと同等の価値」とみなしていいかとは思います。しかしながらあまりに期間が短いということもありもう1場所様子を見たほうが良いのではないかと個人的には思います。
古すぎますが、双葉山が平幕で9-2(当時は11日制)のあと関脇で11-0(優勝)、新大関で13-0で優勝(この場所から13日制)でも即昇進はしてませんから、仮に栃ノ心が夏場所優勝してても名古山場所後に即はないでしょうね。仮に初優勝が1月でなく3月であり、そして5月場所で優勝して、その上で7月場所で優勝すれば3場所連続になりますのでそのときは議題には上げるべきかと思います。見送るにしても単に「大関での連続優勝じゃないから」という理由だけはしないで欲しいですね。
私はオーバーでなくこの杓子定規な判断しかできないものが多いことを危惧しています。
昨年から問題になった暴行事件もかっと来て数発平手で殴った貴公俊と、計画性さえ疑われるような状況のなかデンモクという凶器を使い頭部を執拗に殴った日馬富士が同じ暴行事件ということで一色反に捉え、「貴公俊も引退させろ」というものが現実に出てきています。
少し前、ボクシングで肘打ち、サミングと執拗に反則を繰り返す亀田大毅に対して切れた内藤大助が「いい加減にしろ」頭を小突くと「亀田大毅が出場停止なら内藤も反則したのだから出場停止にしろ」というものがいました。
こういうった意見が当たり前になると殺人事件の裁判でも
動機、殺害方法、その後の被告の態度などは一切斟酌されることなく単に被害者の人数だけで量刑が決められるなんてことも十分にありえるでしょう・・。本当
危惧すべきことだと思いますよ。
勝率は、生まれた山を忘れません。

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